2019年7月18日木曜日
時雨の記を読んで
クレマチスの プリンセス ケイト
明治42年生まれの女性作家の小説は とてもいい 。こんな二人が実在するとは思えないのですが 、、。 男性が女性に一目惚れ、、かな。ヨーロッパに出張中 かれが毎日女性に送った手紙を一部 載せてみます。
だんだん日暮れが迫っている 一刻も明るいうちに先を急ぎたい。
リスボンから
無理はするな ぼーっと暮らしなさい。それがお前さんに一番似合う。そうは言っても多江の激しい気性は先刻見破っている。そこを見せないが ちらっと見える僕には。ただのぼーっとした女でない。いぶしの魅力か。若い時はピカピカしていた、今はすっかり時代がつき、しかも保存がいい。道具も千年も前のものが、全くフレッシュでえもいわれぬ味わいの出たものを名品とする。古びて薄汚れてはいけないのだ。道具は惜しまず使うべし。保存は丹念にあるがままで美しく余計な飾りはいらないね。そういう暮らしをしよう。
実業家の彼には家庭があり 彼女は夫と死別して一人暮らし。その二人が偶然に20年ぶりにあって 、、、。
日暮れの近い二人が 生涯一度の相手に巡り会え 人を愛する事の喜び 清らかな精神の恋愛小説に読み終わって 静かに静かに 深い愛情あふれる相手を思いやる即直な気持ちに溢れていて さわやかな風が吹いている、、そんな感じがしました。
人の生き方を道具に例え 彼女に伝える 彼のセンスの良さがひかっています。結末は?
大人だから感じられる 気恥ずかしさの感じられない恋愛小説でした。
爽やかな ミントとレモンバームのハーブテイーが飲みたくなりました。
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